北米ワイルドブルーベリーの生産量は猛暑・干ばつの影響で減少する見込み
北米ワイルドブルーベリーの収穫は最盛期を迎えていますが、当初ほぼ例年並みと見込まれていた収穫量ですが、7月後半から続く猛暑と乾燥により、一転して全ての産地で収穫量が減少する予想となっています。
メイン州(アメリカ)、ケベック州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州、プリンスエドワード島の5地域全てで生産量が減少する見込みで、今年の生産量予測は10万トン程度(例年=15万トン)。
ノバスコシア州・ケベック北部では7月下旬以降、州全域で干ばつとなっています。昨年同時期と比べるとワイルドブルーベリーの生育地域での干ばつが深刻な状況となってきています。

メイン州でも7月下旬までは良好でしたが、8月に入ってから猛暑と干ばつが顕著となり、昨年同時期と比べると大幅な干ばつとなっています。開花受粉期の大雨で結実率が低くなっていたメイン州はこの猛暑と干ばつにより収穫量が減少する見込みとなっています。

ワイルドブルーベリーは果実が熟する時期に乾燥に曝されると内果実が収縮してしまい、果皮に皺がでてしまいます。果実の成長ができず小さいまま熟してしまうと収穫機の篩に残らずに落ちてしまうため手作業での収穫が必要になるエリアも出てきたり、収穫自体を放棄してしまうエリアが出てくると予想されています。
需要は旺盛
ヨーロッパでのチェリー、ラズベリー、カシスの収穫量が予想より低く、ワイルドブルーベリーへの需要が高まってきていることもあって、2025cropのワイルドブルーベリー価格は高くなる見込みです。生産量が低くなるシーズンでは、現地パッカーも9月中旬に収穫が完了してから正式なオファーを出す傾向があり、今年の価格オファーは9月下旬から10月上旬となる見込みです。