安全への取り組み(中国製品)

「中国産の食品は大丈夫なの?」という懸念に応えるため、pdx tradingでは様々な品質管理と安全確保に努めています。私達が日本市場で販売するフリーズドライ製品は厳しい品質基準を定め、それに準拠できるよう管理をしています。

「中国産の食品は大丈夫なの?」

中国産の野菜や冷凍食品などの加工食品で問題が起こり、大きく取り扱われ、結果として「有毒食品」などと呼ばれたり、「中国産の食品=危険」というイメージが定着しています。

2002年の冷凍餃子への農薬混入事件以降、食品の安全性を揺るがす問題が多発し、その後中国政府も食品の安全性に本格的に取り組んできました。その結果、様々な国から日本へ輸入される食品を日本の検疫で検査した結果、中国からの輸入食品が他の国と比べ違反率が特別高いという状況ではありません。

中国では、輸出される食品に対して、生産、加工、流通までの一連の工程を国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)が一元的に管理し、原料の生産業者、製造・加工業者の登録、輸出前検査を行っています。政府としては、AQSIQとの情報交換を密にし対日輸出食品の安全性問題に迅速に対応できるよう在北京日本大使館には食品安全の専門家を配置しています。さらに、輸入の際には、他国からの輸入食品と同様にA3の内容の対策を講じるとともに、中国当局及び在中国の日本大使館等から情報を収集し、必要に応じて検査強化等を行っています。

なお、中国から輸入される食品については、令和4年度において、約88万件の輸入届出件数に対して195件の食品衛生法違反があり、違反率は0.02%でした。一方、全輸出国における違反率は0.03%であり、中国からの輸入食品の違反率が特に高いという状況ではありません。

厚生労働省・輸入食品監視業務・FAQより

現在は、中国の輸出入の製品検査や検疫はAQSIQが主要都市に配置している「輸出入検査検疫局(CIQ)」が実務を担当しています。輸出用の作物の安全性を確保するために中国の輸出用の作物・食品の加工は;

  • CIQに登録された輸出専用の周囲に汚染がないことを確認された栽培基地で生産し、
  • 栽培技術や安全性に関する定められた教育や研修を受けた管理者を置き、
  • 農薬の管理・購入・使用に関する把握と記録を行い、作物の定期的な残留農薬を行い、
  • 食品安全トレーサビリティシステムを導入し、

製造されています。

さらにpdx tradingでは皆様に安心してお召し上がり頂けるよう、栽培から加工、出荷まで厳しい管理・検査を実施した製品をご提供しています。

苗から収穫まで徹底管理と徹底記録

トレーサビリティ

品質管理をどんなに万全に整えていたとしても、トラブルや問題をゼロにすることはできません。迅速な問題点の確定、影響を受ける製品や設備の特定と隔離、製造履歴や原料の調査、トラブルの拡大防止とお客様への速やかな報告にはトレーサビリティが必要不可欠です。

製品ロット番号から、製造日時と担当者、製造記録や使用した各原料の情報など、種々の情報にアクセスができ、さらに原料情報から収穫日や収穫場所など産地までトレースすることが可能です。

GAP

中国国家推奨規格であるGB/T20014.1をベースに山東省のCIQが農園および農園の管理者への指導を行い、国家規格を基に各輸出基地でカスタマイズしたGAP(適正農業規範)を策定・施行しています。

主な内容はトレーサビリティ、圃場履歴・管理とHACCP(危害分析と重要管理点)、食品安全と環境保全に関する項目(使用する肥料とその施肥条件、土壌の健全性を保つための活動と検査、使用する灌漑水の管理など)です。

安全性

栽培される作物の安全を確保するために、様々な取組が行われています。
イチゴ農園の画像

日本向けに輸出・生産されるフルーツ・野菜の安全性の確保は、中国の検疫局により、栽培基地の登録番号から輸出製品検査まで厳格に実施されています。

中国の輸出入の製品検査や検疫を行うのは、日本の内閣にあたる「国務院」の直属機関の「国家品質監督検査検疫当局(質検総局)」で、質検総局が主要都市に配置している「輸出入検査検疫局(CIQ)」が、実務を担当しています。

輸出用の作物の生産と輸出は、CIQに登録された栽培基地で生産され、さらに下記の要件を満たす必要があります;

  • 栽培基地の周辺に汚染源がないこと
  • 栽培面積は20ヘクタール(300ムー)以上であること
  • 関連機関の研修を修了し、農薬使用についての基本知識と病虫害の防除や残留農薬の管理の担う植保員を1名以上配置すること
  • 農薬の保管、分配、使用、残留農薬の管理を担う植保員と、農薬の管理や使用に関する条項や記録の管理について取り決めた農薬管理規約を有すること
  • 農場管理規約を有すること
  • 病虫害発生と防除の報告についての規約と関連記録を有すること

使用農薬と残留農薬

IPMの導入

製品の安全性(残留農薬基準)を満たしながら、消費者が求める品質(虫害の無いこと、外観が優れていることなど)を両立させるために、殺菌・殺虫を主要な目的として使用する農薬の選定を行い、現地公的機関と連携して栽培時の散布を行っています。

総合的病害虫管理を導入し、被害が想定される害虫・病害それぞれに使用すべき農薬の種類、その希釈・散布方法、使用時期の制限を定めています。

散布記録と管理

散布した農薬と散布日、散布量、使用目的や散布方法、前作物で使用した農薬の記録、近隣農園での散布状況など精細に記録しています。化学物質は施錠した施設で植保員が管理しています。弊社にて記録を使用基準と照合しその安全性・正確性を確認しています。

また、殺虫剤散布後に害虫の実数調査を行い、散布の効果を確認すると共に追加の散布の有無を検討しています。

残留農薬検査

残留農薬についても収穫時初期にドリフトのリスクが大きい畑の四隅を中心に中央部分を含め全域をカバーするように採取し、収穫完了直後に冷凍原料およびフリーズドライ乾燥後(製造後)の両方で外部機関での分析を実施し、安全を確認しています。

おいしい作物は豊かできれいな環境から生まれる

土壌分析

土壌では栄養成分、重金属、pHと特定残留農薬(DDTおよびγ-BHC)の分析を行い栽培する農園の安全を確保しています。農園の四隅および中央部の5カ所から、畝の下20cm程度の位置から土壌サンプルを採取しています。

重金属に関しては未検出レベル、栄養成分についても弊社が定める安全基準を満たした農園でのみ栽培を行っています。

水質分析

作物の栽培に使用する灌漑用水も中国の基準だけで無く、日本の環境基準法(平成5年法律第91号)も満たした安全な水を使用して栽培しています。

使用する水

製造工場で使用する市水では中国及び日本でそれぞれ基準が設けられています。いずれも中国での基準を満たしており、中国で定めがなく分析されていない四塩化炭素以外は日本の基準を満たしております。

検品による徹底的な異物・夾雑物除去

機器選別

製品やサイズ・粒度などに応じて風力選別、振動ふるい、接触・非接触型磁石、金属探知機やX線などを組み合わせて異物・夾雑物を除去しています。

目視検品

ベルトコンベア上での検品やテーブルでの徹底的な目視検品などを実施しています。発見された異物や夾雑物は記録され、混入要因分析などを実施し、継続した改善活動も行っています。

検品のレベルなどはお客様の求める水準・ご要望に応じて調整が可能です。

品質管理

目視検品が完了した製品を抜き取り、品質管理部門にて精査してグレーディングを行い、弊社が定める内部基準に達していない場合は再検品を行うなど、安定して高品質な製品を提供できるようた体制を整えています。

品質認証

フリーズドライや検品・包装・検査を行う工場は中国政府による品質や輸出認証に加えて、GFSI (Global Food Safety Initiative)によるベンチマークを受けた認証(BRCやSQF, ISO, FSSCなど)を受けた工場で製造しています。

選別基準はお客様の要求に応じて調整します

イチゴ検品工程の画像

金属探知機や風力選別、X線などの機械選別だけで無く、徹底した目視検品も実施しています。

目視検品は、コンベアのスピードや検品の人数、コンベア上へのマグネットの設置や微粉の除去、テーブルでの静置検品など様々なオプションと組み合わせることができます。