世界のダークスイートチェリー生産量
ダークスイートチェリーは大粒で甘くそのまま食したり、冷凍、缶詰、瓶詰、ドライなどさまざまな加工品でも用いられているチェリーです。日本で栽培されるほとんどのさくらんぼがこのスイートチェリーになります。濃い赤紫のビング種から佐藤錦・レイニアなどの赤・黄色の品種まで多種多様な品種があります。国連食糧農業機関(FAO)のダークスイートチェリー生産量(2023年)を統計をグラフにしてあります。
世界のチェリー生産量トップ10はトルコ、チリ、アメリカ、ウズベキスタン、イラン、ギリシャ、スペイン、イタリア、シリア、ポーランドの順となります(FAO統計2023年分)。トップ5の国の生産量は世界全体の64%、トップ10では世界全体の79%を生産しています。
世界のダークスイートチェリー生産量推移
この20年でダークスイートチェリー生産量はほぼ2倍に増えてきています。2023年の世界のダークスイートチェリー生産量は史上最大の296万トン超えを記録しました。
ダークスイートチェリー主要生産国生産量推移
ここ数年でチリの生産量が大幅に伸びています。
2017年
2017年のダークスイートチェリーの生産量は245万トンで、10年で32%の伸びを見せています。
ヨーロッパの生産量は過去10年で2%増えていますが、北米の生産量は80%以上とほぼ倍増となっています。中東でも35%、アジアでは57%とこれらの地域がダークスイートチェリーの生産量の増加を担っていることが判ります。
2018年
2018年のダークスイートチェリーの生産量は255万トンで昨年比4%、過去10年の平均と比べると17%の伸びを見せています。特にアジア・南米で生産量の増加が大きく10年で50%以上生産量を増やしてきています。
ヨーロッパ・アジア・南米は昨年比10%以上生産量が増えて豊作傾向でしたが、北米は-20%とミシガン一帯で収穫期の降雨などによる病害・虫害などにより生産量を大きく落としています。
2019年
2019年のダークスイートチェリーの生産量は260万トンで昨年比2%、過去10年の平均と比べると13%の伸びを見せています。
ヨーロッパのチェリー主要生産国(イタリア、ギリシャ、ウクライナ、ルーマニア、ポーランド)で寒波などの影響で軒並み生産量を落とし、ヨーロッパ合計では昨年比10%減となっています。
北米はアメリカが微増、カナダが微減で合計するとほぼ前年並みとなっています。
中東では最大の生産国トルコが豊作、イランの生産量が減りましたが、中東合計では前年比5%増となっています。
2020年
2020年のダークスイートチェリーの生産量は260万トンで昨年比とほぼ同じ、過去10年の平均と比べると13%の伸びを見せています。ヨーロッパ・北米は減産となりましたが、中東・南米が昨年よりも生産量を伸ばしました。
2021年
2021年は主要生産国のトルコ、イランで減産となったもののその他の地域では比較的順調、アメリカは豊作となったため、世界全体の生産量は前年より12万トン増産(5%アップ)の273万トンとなりました。
2022年
主要生産地のアメリカ・トルコで減産となったものの世界全体の生産量はほぼ前年と並ぶ276万トンとなりました。
北米は過去15年で最も生産量が少なくなりました。2008年の大凶作とならぶ22万トンとなり、史上最高の作柄だった2017年の40万トンのほぼ半分となりました。最大の生産地ワシントン州では春先の厳しい寒波により受粉・結実が上手くいきませんでした。カリフォルニア州では2-3月にかけての寒波により結実期の果実にダメージが発生しました。オレゴン州では同様に寒波と降水量が例年に比べて多く果実の結実・生長に影響が発生しました。これらのことより記録的な不作となりました。
2023年
PNW(米国北西部)では果実生育期の天候が比較的良くほぼ予測通りの収穫量となりました。
米国以外ではトルコが過去2年の不作から脱却しほぼ2020年同様の74万トン、チリは前年比微増の47万トン、イランも昨年の不作からほぼ平年並みの15万トンとなったことから世界合計では史上最高の生産量(296万トン)となりました。
2024年
PNW(米国北西部)では収穫後期の7月上旬に熱波の被害などもありましたが、17.7万トンと昨年よりも豊作となりました。