イチゴの統計情報

イチゴの生産量、生産シェア、主要生産国(アメリカ・中国)の生産動向、アメリカの郡別作付面積、日本の生産量や都道府県別生産量などをお伝えしています。

世界各国のイチゴの生産量

世界のイチゴ生産量は中国が他を圧倒し2位のアメリカの倍以上の生産量を誇ります。そのため中国をマップから除外しています。生産量のトップ10は中国、アメリカ、トルコ、エジプト、メキシコ、スペイン、ロシア、ポーランド、韓国、ブラジルとなります。トップ10の国で世界全体の80%を生産しています。

イチゴはスーパーなどで販売される生鮮向けとジャム、菓子、加工食品向けの加工用イチゴに分かれます。国によって異なりますが、例えばアメリカでは8割以上が生鮮向けで加工向けが2割程度となります。


主要生産地域・生産国の生産量とシェア(2022年)

地域別ではアジア、北南米、ヨーロッパの順となります。最も多いのがアジアで世界の39%のイチゴを生産しており、日本はアジアで2位、世界で14番目の生産量となります。ヨーロッパは1カ国あたりの生産量はあまり多くありませんが、イチゴを生産している地域が多く、ヨーロッパ全体では世界の21%のイチゴを生産しています。


主要生産地域・生産国の生産量とシェア(2021年)


地域別生産量推移

過去10年の各地域毎の生産量推移をみると、2017年までは順調に生産量が伸びていることが判ります。近年伸びが大きいのがアフリカです。2018年は中国で苗の植え付け後の大雨、開花時期の降霜などにより70万トン以上の減産となり、世界トータルのイチゴ生産量は2017年度比で88万トン減(10%減)の834万トンとなりました。

2019年はアメリカが前年度比20%減となったものの中国での生産量が回復、エジプトやブラジルなどの豊作に伴い前年度比で7%アップの890万トンとなりました。

2020年はエジプト、トルコ、ブラジルで豊作、メキシコ、ポーランド、韓国などが大幅減産となり、世界トータルでは2019年より微減となりました。

2022年は全世界トータルで初めて950万トンを超えました。トルコ、エジプトが豊作、ポルトガルは2021年に2万トンでしたが2022年には20万トンまで急増しています。また、中国・米国も昨年に比べて生産量が増えたことが大きな要因です。ポーランドは2021年に16万トンでしたが、2022年はFAO統計では3020トンとなっております。


主要生産国生産量推移

中国が全世界の約1/3のいちごを生産しています。

アメリカの統計

アメリカ主要生産州の生産量

現在USDAはカリフォルニア州とフロリダ州のみの統計を公表しています。ワシントン州・オレゴン州・ニューヨーク州・ノースカロライナ州についてはイチゴの作付面積と平均収量から弊社が推定した数値を採用しています。


アメリカ主要生産州での生産量推移

アメリカの年間生産量は2015年に140万トンを記録してから3年連続で天候などの理由で生産量が減少し続けており、2019年には105万トンになりましたが、その後回復基調に戻り2022年には126万トンとなりました。その内90%の112万トンがカリフォルニア州で生産されています。

アメリカのその他の州では主に生鮮向けの栽培が主流となっており、フロリダ・ノースカロライナが東部・東南部をオレゴン・ワシントン州で中西部・北西部のマーケットをカバーしています。


カリフォルニア州で収穫されるイチゴの使用用途

カリフォルニア州で収穫されるイチゴの8割以上が生鮮向け(小売・外食)に販売され、残りの17%(約18万トン)が冷凍(IQF/BQF)され、加工用となっています。

アメリカの作付面積統計

アメリカのイチゴ生産州の郡単位の作付面積をマッピングしています。カリフォルニア州のイチゴの生産量・作付面積が圧倒的に多いため、他の州と分けて個別にマッピングしています。またフロリダ州も1つの郡の作付面積が非常に大きく、個別にマッピングしています。

カリフォルニア州の郡別作付面積

南カリフォルア(SoCal)のベンチュラ郡、サンタバーバラ郡及びセントラルコーストのモントレー郡のトップ3郡で州の作付面積の88%を占めています。以下、サンルイスオビスポ郡(南カリフォルニア)、サンタクルーズ郡(セントラルコースト)を加えたトップ5郡で99%となります。


フロリダ州の郡別作付面積

州中央部・メキシコ湾に面したヒルスボロ郡だけで州の作付面積の82%を占めています。


カリフォルニア州・フロリダ州以外の主要生産州・郡別作付面積

カリフォルニア以外ではフロリダ州、オレゴン州、ニューヨーク州、ワシントン州、ノースカロライナ州で商業的に栽培されていますが、カリフォルニアに比べると作付面積は1/4~1/90とかなり少なくなります。

オレゴン州はトップ5郡で93%、ワシントン州はトップ5郡で80%とあるていど集中して栽培されておりIQFや加工向けイチゴの栽培がされていますが、ニューヨーク州ではトップ5郡で40%、ノースカロライナ州ではトップ5郡で42%とこれらの州では主に地元向けの生鮮イチゴの栽培がメインとなっています。

中国の統計

中国での生産量推移

1993年よりアメリカ市場で朝食シリアルにフリーズドライのイチゴを入れた製品の売り上げが急激に伸び、中国での委託生産が始まりました。2005年にシリアル向けのイチゴ製品が減少に転じましたが、フリーズドライのイチゴスライスを個包装した製品や、糖漬けの冷凍原料などの輸出が伸び続け、2009年から2016年までは毎年10%程度の伸びを示していましたが、2017年・2018年と2年連続で不作となり、生産量は史上最高だった2016年と比べると82万トン減少(21%)しました。2019年は前年度比9%増の322万トンとなりました。2020年は前年より微増の332万トンとなりました。

日本の統計

日本のイチゴ生産量推移

日本のイチゴ生産量は2004年には19.8万トンでしたが、年々減少を続け2019年には16.5万トンとなっています。

2021年以降生産量が16万トンレベルまで増えてきています。


日本の都道府県別イチゴ生産量(2022年)

都道府県別に見ると、生産量トップは栃木県で2万4千トン、続いて福岡県、熊本県、愛知県、静岡県となっています。上位5県で日本の46%のイチゴを生産しており、上位10県では70%となります。


日本の輸入統計

生鮮イチゴ輸入統計

年間おおよそ3000トンほどの生鮮イチゴを輸入しています。その大部分がアメリカですが、近年オランダからの輸入が増えてきています。

HS 0810.10-000

冷凍イチゴ(加糖)輸入統計

ジャムやフィリングの原料として使用される、いわゆる4+1などと呼ばれる冷凍加糖イチゴの輸入統計です。年々その輸入量が減少してきています。

HS 0811.10-100

冷凍イチゴ(加糖以外)輸入統計

無加糖冷凍イチゴの輸入統計です。加糖イチゴの輸入量の減少に反比例して輸入量が増えてきています。

HS 0811-10-200

ドライストロベリー(加糖)輸入統計

糖漬けドライストロベリーの輸入統計です。

HS 2008.80-190

ドライストロベリー(その他)輸入統計

HS 2008.80-290

糖漬け以外の「その他ドライストロベリー」の輸入統計です。